座禅のうれしい効果

座禅の効果



「三大神経伝達物質」のひとつであるセロトニンは、ノルマや時間に追われ、忙しい現代人が抱えるストレス問題と併せて語られることが多いようです。最近ではうつ病患者の急増、自殺者の増加など、セロトニンという言葉を聞く機会が増えてきています。

セロトニンが不足するとうつ病などの精神疾患の危険性があるわけですが、逆にセロトニン濃度が高くなり過ぎると、今度は「セロトニン症候群」と言われる中毒症状も現れることがあります。このように、人間の精神の安定についてはセロトニンがかなり大きく影響しているわけです。

セロトニン研究をしている東邦大学医学部の教授は、セロトニン分泌を促進して活性を高める原動力が、腹式呼吸などのリズム性の運動にあると述べ、実はこの腹式呼吸こそ、座禅と密接に関係しているのです。

座禅をしようと思えば、それはお寺に行かなくても、家でひとりでも可能なわけです。最初は、座り方などの形式にあまりとらわれる必要もありません。重要なポイントになるのは呼吸の仕方です。とにかくまずはゆっくり息を吐き切ってから吸うようにしてください。それだけで自然に腹筋を意識した呼吸になるのです。数を数えながらリズミカルに続けてみましょう。あわてずに繰り返してください。目を開けたままでも構いません。服装も体を締めつけないものならOKで、特別なものは要りません。

普通に上着を脱ぎ、ネクタイやズボンのベルトを外すだけでも構いません。アクセサリー、靴下やストッキングも取りましょう。女の人はスラックスがいいですが、スカートなら大き目のタオルを前にかけましょう。次項で、実際の座禅についてお話していきましょう。