座禅のうれしい効果

深い呼吸をする


揺身(ようしん)という言葉があります。これは体を前後左右に動かして自分がより安定する位置を決める行動です。腰は伸ばし、腹を前に出します。坐相は、鼻とへそ、耳と肩がそれぞれ垂直になるのがいいのです。

目線も重要です。一度正面を見て、自分の先1.5m先の床に視線を向けます。いわゆる半眼という状態にします。目はつぶらずに、目を動かしてもいけません。そして「調息」です。ゆっくり息を吐いたり吸ったりします。こうして心を静めることを調息といいます。

腹式呼吸はまず、鼻から息を吐きます。体内の空気を全部吐き出すように息を出しきります。心の中のいろいろな思いも吐き出すようなイメージです。そして鼻でゆっくり息を吸います。腹の中にしっかり空気が入るのを感じると思います。

次は丹田(たんでん)を意識します。丹田はへその下3cmぐらいのところを指し、ここに気を集中させて、胸や腹の空気を出します。全部息を出し切ったら丹田に入れていた力を抜いき、息を吸う感じです。これを繰り返します。ゆっくり呼吸すると、心を落ち着けることができます。こうして呼吸を調えるということがセロトニンの分泌に関係しているのです。

所要時間についてですが、座禅では「一しゅ」、つまり線香一本が燃え尽きる時間(約40分~1時間)を一回とします。ただし、最初は短くてもいいのです。まずは座って取り組むことです。

食後すぐ、空腹時、疲れているときは適しません。朝は最適です。不安、心配事、好き嫌いなど、とにかくいろいろなストレスに囲まれている現代ですが、心も空っぽにするのが座禅のポイントです。